
2025
JURY PRIZE
審査員特別賞
箱に乗るイヌ
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Year:
2025
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Size:
297×210mm
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Material/Technique:
アクリル絵具、イラストボード
高校受験をきっかけに絵を描き始める。様々な画材に挑戦する中で雑誌を切り貼りしたコラージュをアクリル絵の具で描写する技法に魅了されている。障害をもってからは夜中に白く光り輝く犬や猫、人の姿を見るようになった。手術後の愛犬の側には、見守るように先代の犬に似た姿を見たことも。それに恐怖や不安はなく、むしろ安堵の気持ちが湧き「生きているもの」も「亡くなったもの」も、確かにぬくもりを持っていると気付き、その体験が作品づくりの大きな原動力となっている。色や形の変化が生む新たな姿は、目に見える存在だけでなく、見えないものの温もりまで伝え、誰もが経験する「喪失」に対する彼女の温かな思いが寄せられている。
審査員員評

日比野 克彦
Katsuhiko Hibino
さりげない一日の中で意識せずに記憶に焼き付いてしまうシーンがある。それはとかく、ひとつの事象ではなく、二つ以上の事象の組み合わせによって生まれる。「桜を見てから
のみみずの死骸」とか、「歩く後ろ姿を見続けてからの追い抜く自転車」とか・・・。
この作品にはそんな事象が混在している。最初にこの作品を目にした時に、変な錯覚に襲われた。私が体験したことのある連続しない無関係の事象がこの絵の中に同居している感
覚である。どうしたらそんな絵が描けるのだろうか?と考えてしまうが、そんなことを考えていてはこの絵は生まれてこないのはわかってはいるが・・・不思議だよね、絵って、自分でも知らない感覚を引っ張り出してくれるのだから。
作家プロフィール
わんちゃ
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国籍:
Japan
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