
2024
JURY PRIZE
審査員特別賞
Untitled, Ref: A20113
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Year:
2024
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Size:
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Material/Technique:
スーザン・テカフランギ・キングは、1951年にニュージーランドのテアロハで生まれ、50年代中頃の幼少期から技巧に富んだ作品を大量に描いてきた。読み書きや話すことができず、手話も使用しない彼女は、独特で多様な描画表現を通じて、自身の思考、感情、理解、観察、恐れ、混乱、そして魅了されるものを表現している。その作品は、シンプルなものから複雑な画面構成を持つものまで多岐にわたり、その内なる世界の豊かさを反映している。本作は彼女が10代後半に描いたもので、出版会社で働いていた父親が持ち帰ったゲラの裏面に描かれた。企業キャラクター「ファンタ・クラウン」も含む何層にも重なり合った人物像は、下書きなしにボールペンで描かれており、その巧みさと深い想像力が見る者の心を捉える。
審査員員評

クリスチャン・バースト
Christian Berst
本作を見た時、日本の偉大なアール・ブリュット作家、鵜飼結一朗のことを思い浮かべました。多くの人物像が沸き立ちながらも、それらは注意深く配置され、シーンとして繋がっていなくてもリズム感が同期しているように見えるのです。両者の作品において、コマーシャル産業の影響が見られますが、描いていた当時、特に若者にとってそれらがいかに素晴らしく、まるで夢や魔法のようであるかを示しています。彼らにとって創造することは内なる混沌を整理する手段として用いられ、しかし同時にその混沌と本質的には矛盾しないのです。作家に心からのお祝いを申し上げ、彼女の内なる世界を美しく表現してくれたこと、そして彼女の創作を私たちと共有してくださったご家族にも感謝の意を表します。
作家プロフィール
スーザン・テカフランギ・キング
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国籍:
New Zealand
協賛企業