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受賞者およびファイナリストの作品が
一堂に集結する展覧会
「HERALBONY Art Prize 2025 Exhibition
Presented by 東京建物|Brillia」
を開催。

2025

JURY PRIZE

審査員特別賞

あゆみちゃんの作品

  • Year:

    2025

  • Size:

    500×840mm

  • Material/Technique:

    ウール糸、綿糸、麻布

小学校4年生のとき、担任の先生に教わり刺繍と出会う。彼女が針を使えることには、両親も驚いたという。歳を重ねるごとに刺繍の魅力に引き込まれ、中学ではクロスステッチに夢中になり、22歳から通っていた就労継続支援施設でも刺繍をしていた。現在、創作は自宅で行われている。チャコペンで下絵を描き、一針一針丁寧に刺していく。彼女には独特のこだわりがあり、3メートルほどの長い糸を使って刺繍をする。余った糸は捨てずにとっておき、再利用するときは4本取りの太く短い糸にして使う。糸が幾重にも重なり、まるで油絵のような迫力が生まれるのが彼女の作品の魅力だ。「刺繍をしているとき、何を考えているの?」と尋ねると、「いろんなステッチ!」と答えた。

JURY’S COMMENT

審査員員評

Harriet Salmon

審査の過程で特に目を引いたのが、あゆみさんの刺繍作品だった。糸が織りなす立体的な緊張感と鮮烈な構成に惹かれ、審査員賞に選出した。あゆみさんの母親によれば、彼女は大のさをり織り好きで、本作にもそれと共通するような自由なイメージの創出が、緻密に縫い重ねられた風景の中に見てとれる。抽象表現主義の代表的な作品と同様に、明確な視覚的焦点を設けず、「オール・オーヴァー(キャンパス全体を均一に塗ること)」による構成が画面全体を取りこむ。砂漠の大地を思わせる豊かなアースカラーの中には円が浮かび上がり、ジグザグの緻密な縫い目が深い峡谷のように布地を横断する。重ねられた刺繍糸の張りが、作品に奥行きをもたらすとともに、リネンの表面を立体的な地形へと変化させている。秘められた意味を持つ私的な線刻(ルビ・ペトログリフ)が質感の中に立ち現れ、作家が刺繍に費やした時間と、地質学的なスケールでの緩やかな時間という、二つの異なる時間の流れを指し示しているようである。

ARTIST PROFILE

作家プロフィール

あゆみ

  • 国籍:

    Japan

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